切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
「あの……やっぱり私ここにいるのは……!?」
明日出て行くことを切り出そうとしたら、玲司さんに遮られた。
「美月ちゃんの寝室は前も使ってもらったけど、こっち」
彼が私の手を引いてバスルームの隣の部屋に案内する。
「ありがとうございます。おやすみなさい」
玲司さんに微笑めば、彼も微笑み返して私の頭を撫でた。
「おやすみ、美月ちゃん」
彼の後ろ姿を見送ると、十畳くらいありそうな寝室にフーッと溜め息をつきながら入る。
こっちは一緒にいるだけでドキッとするのに、完全に子供扱い。玲司さんにしてみれば、親戚の子供を泊めてあげるような感覚なんだろうな。
ゲストルームらしい白とブラウンを基調とした落ち着いた部屋。
高級感があって……私にはもったいない。
明日こそは玲司さんにはっきり言ってここを出て行こう。
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