切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
私のことを心配してくれる人がいるって改めて認識したけど、私ももう就職して働いている身。頼り過ぎは禁物だ。
ベッドに入り、目を閉じる。
いろんなことがあって……疲れ……た。
会社で習ったこと全部忘れそう。
人の名前も覚えなきゃいけないし。
トロトロしてたら、きっと渡辺君に怒られるな。
今日の出来事を振り返るが、矢島のことはあえて考えないようにした。
お風呂で温まったこともあり、すぐに身体の力がスーッと抜けて……。
玲司さん……いつ……寝るん……だ……ろ。
意識が途切れ途切れになって、何故か私は真っ赤なベッドにいた。
目の前には私が恐怖を感じるあの大男。
『嫌、来ないで!』
矢島がニヤリと口角をあげ、私に覆いかぶさってくる。
手足は拘束されていて動かせない。
矢島がブラウスに手をかけ、そのボタンが吹っ飛んだ。
彼の生温かい息が私の顔にかかる。
今度こそ駄目だ。
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