切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
「そうなんです。そういう事情がありまして……ここに泊めてもらったんですけど……私これで失礼しますから」
あたふたしながらもここから立ち去ろうとしたら、玲司さんが上半身裸で戻って来てギョッとした。
「言い忘れたけど、美月ちゃんの荷物お昼ごろうちに届くから」
にこやかに微笑む彼の言葉に、訳がわからず小首を傾げた。
「は?」
「引越しだよ。寮は危なくておいとけないからね。大丈夫。全部お任せパックにしたから、荷物届くの待ってるだけでいいよ」
玲司さんは言い直すが、私の脳は彼の説明をすぐに理解できずにいた。
引越し?
全部お任せパック?
ええ~? 全然大丈夫じゃないですよー。
玲司さんに再度確認するしようとするが、いつの間にか消えていて、晴人さんにポンと肩を叩かれた。
「良かったじゃないか。念願の玲司さんとの同棲。俺と親戚になるのも時間の問題かな」


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