切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
あれ? 玲司さんじゃない?
そう感じたのだが、彼は「気をつけて」と私に注意すると、穏やかな目でフッと微笑した。
やっぱり玲司さん?
だけど、メガネかけてるし、前髪を後ろに流して額を出していて、いつもの玲司さんの姿とはちょっと違う。
それに、玲司さんは今日は銀座の商店街の会合があるって言ってたよね?
ここにいるはずがない。
でも、あの目は玲司さんだと思うんだけど……あ~、どっちなの?
混乱する私。
呆気に取られている間に、メガネの男性は常務と連れ立ってエレベーターに消えた。
「私の勘違いなのかな?」
閉まったエレベーターの扉をじっと見つめ、首を傾げた。
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