切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
「昔、高校生の女の子を保護したことがあっただろ? その子をまたうちで保護してる」
「松本美月さんですか? 確かうちの会社に入りましたよね?」
水嶋の問いにコクッと頷く。
「そうだ。母親の交際相手がまた彼女の前に現れたんだ。涼華さんのところで預かってもらおうとしたんだが、きっぱり断られてな。俺のところにおくことにしたのさ」
「成り行きでそうなったにしては、嫌そうには見えませんが」
無表情で俺を見据える彼の言葉に、美月ちゃんとの朝のやり取りを思い出して頰が緩んだ。
「そう見えるか? ちょっと彼女のうぶな反応が面白くて。それに、彼女がいるとよく眠れるんだ」
美月ちゃんがいるとマロンを思い出して癒やされるのか、朝までよく眠れる。
もともと寝起きはいい方で、声をかけられてパッと目が覚めるのだが、彼女が俺と一緒にいて激しく動揺するのが楽しくて、ついつい寝惚けたフリをしてしまう。
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