切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
6、豹変する彼
リクルーター用の資料を会議に並べて総務に戻ると、もうお昼近かった。
さっき会ったの玲司さんだったのだろうか?
でも、彼だとしたら、なぜうちの会社にいるの?
カフェのオーナーだよ。
「松本さーん、今度はファイルの整理してくれる?」
佐藤先輩に声をかけられ「はい」と返事をする。
今は玲司さんのことは考えないでおこう。
仕事で失敗しそうだもの。
年代順にファイルを整理していたら、電話が鳴って、渡辺君が出た。
どこかの業者か関連会社からの電話だと思ったのだけど、渡辺君が電話の相手と話しながらちらりと私を見た。
「はい、少々お待ち下さい。松本、お母さんから電話」
彼に呼ばれてドキッとした。
え? お母さん?
なぜ会社に電話なんか?
私がここで働いていることは母は知らないはずだ。
どうやって私のことを知ったの?
頭に浮かぶのは疑問ばかり。
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