切愛願望～極上御曹司の庇護欲からは逃げられない～

「さっきパソコンで社食のメニュー見たら、トンカツでしたよ。B定食がブリの照り焼き」
「えー、イントラにメニューなんか載ってるの？」
知らなかったあ。
驚きながら聞けば、渡辺君はニヤリとする。
「俺はお前みたいにボーッと生きてないからな」
……出来が悪くてすみません。
ハハッと苦笑いしながら三人で社食に向かう。
佐藤先輩はＢ定食、渡辺君はＡ定食、そして私はきつねうどんを選び、窓側のテーブルへーー。
佐藤先輩と私は奥に並んで座り、渡辺君は佐藤先輩の前の席に腰を下ろす。
私のトレーのきつねうどんを見て、渡辺君が突っ込んだ。
「松本、うどんだけで足りるのか？」
「うん。今日はちょっと食欲なくて」
母のことが気になって、食べる気力もない。
「松本さん、体調悪いの？」
佐藤先輩が心配そうに聞いてくるので、笑って否定した。