切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
ビルを出ると、目の前に真っ赤な高級スポーツカーが停まっていて、窓越しに晴人さんが私に手を振っていた。
私もコクッと頷いて車に近づき、車に乗り込んだ。
「お疲れ〜」
助手席に座ってシートベルトをつける私に彼がニコッと笑う。
「迎えに来てもらっちゃってすみません。この車、晴人さんのですか? すごくカッコいい」
スポーツカーなんて初めて乗る。
「そう。スポーツカー好きでね。今日から毎日迎えに来るから、何か用事ある時は事前に俺か玲司さんに連絡くれる?」
彼の言葉に申し訳ない気持ちもあったけど、内心ホッとしていた。
母や矢島にばったり会うのは怖い。
「はい。忙しいのにすみません」
「困った時はお互い様だよ。玲司さんも美月ちゃんいるとよく眠れて機嫌がいいし」
「基本玲司さんはいつだって機嫌いいですけど」
「それは女性にだけね。あの人、男にはめっちゃ怖いから。俺も普段顎で使われてるし」
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