切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
「え~、そんな風には見えませんけど」
誰に対しても紳士的な態度で優しそうだけどな。
驚く私に晴人さんはさらに衝撃的な話をする。
「優しそうに見えて結構腹黒いよ、あの人。それに武道やってたから強いしね」
「あっ、でも矢島を見ても、玲司さん怯んでなかったかも」
思う出すように言えば、晴人さんは優しく微笑んだ。
「玲司さんが高校生の時は不良があの人にひれ伏したそうだし、玲司さんが側にいれば大丈夫。必ず美月ちゃんを守ってくれるよ」
晴人さんは私の家庭の事情を知っている。
それにしても、不良がひれ伏したって……玲司さん、何をやったのか。
「それは凄いですね。玲司さん、虫も殺さぬような綺麗な顔していて、穏やかなのに」
「あの人猫かぶりだから紳士面は得意なの。でも、ある意味女性には冷たいかなあ。決して自分を見せないし、自分のテリトリーに入れない。あっ、でも美月ちゃんは特別ね」
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