彼女になれない彼女
気付いたらファミレスに来て3時間が経過していた。

「え、もう4時半?」

時計を見た時に思わず声が出た。

「まじで?3時間もいたの、俺ら。」

田尻くんが笑う。

「でもおかげさまですごく進んだよ。また分からないところあったら質問させて。」

私が言うと、田尻くんが笑顔で「いつでも聞いて」と返す。

「ごめん、私そろそろ帰るね。」

私はペンをケースにしまう。

「うん、俺も店出るわ。」

田尻くんもテーブルの上を片付け始めた。
田尻くんは図書館まで自転車で来ていたらしく、この後図書館に戻るようだ。

「田尻くんの勉強進まなかったよね。」
「ううん、人に教えるのって結局自分の勉強になるから。」

相変わらず爽やかに笑う。
なんていい人なんだろう。

田尻くんとは、店を出たところで別れた。


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