期間限定『ウソ恋ごっこ』
しょぼくれているあたしの様子を見ていた先輩が、しばらくして腕組みを解いた。
「まあ、そもそもお前は立候補してなかったわけだしな。弁当係に決まったときも、あんまり嬉しそうに見えなかったのが引っ掛かってはいたんだ。そういう事情だったのか」
「はい……」
あたしは情けない声を出しながら、コクンとうなずいた。先輩は大きく息を吐き、気を取り直したように言う。
「で、どうする? お前としては辞退したいのか?」
辞退という言葉を聞いて、一瞬考え込んだ。
近藤先輩にバレちゃった今なら、その選択も可能なのかもしれないと思って、ちょっとグラつく。
でもやっぱり、あたしのお弁当を楽しみにしてくれている伊勢谷先輩との約束を破りたくないという気持ちの方が強かった。
「あたし、やってみたいんです。近藤先輩にはムチャなお願いして本当に申し訳ないんですけど、どうか力を貸してくれませんか?」
「まあ、そもそもお前は立候補してなかったわけだしな。弁当係に決まったときも、あんまり嬉しそうに見えなかったのが引っ掛かってはいたんだ。そういう事情だったのか」
「はい……」
あたしは情けない声を出しながら、コクンとうなずいた。先輩は大きく息を吐き、気を取り直したように言う。
「で、どうする? お前としては辞退したいのか?」
辞退という言葉を聞いて、一瞬考え込んだ。
近藤先輩にバレちゃった今なら、その選択も可能なのかもしれないと思って、ちょっとグラつく。
でもやっぱり、あたしのお弁当を楽しみにしてくれている伊勢谷先輩との約束を破りたくないという気持ちの方が強かった。
「あたし、やってみたいんです。近藤先輩にはムチャなお願いして本当に申し訳ないんですけど、どうか力を貸してくれませんか?」