期間限定『ウソ恋ごっこ』
ボンボニエールって砂糖菓子を入れる容器だっけ。言われた通りに蓋を開けて、あたしはすぐに歓声を上げた。


金平糖(こんぺいとう)だ!」


小さな小さな半透明の球の表面に、特徴的なツノがつんつん飛び出た可愛いお菓子。


水色、オレンジ、黄色、白、グリーンと、たくさんの色が詰まっている。


あらためて眺めると、金平糖って優しい色具合といい、不思議な形といい、なんともおしゃれで魅力的なお菓子だ。


「うわあ、可愛い! きれい!」


「京都の専門店から取り寄せたんだよ。この金平糖って、なにかに似てると思わないか?」


「へ?」


「お前、言ってたろ?」


言ってた? なにを?


あたしはキョトンとして金平糖に視線を戻した。


淡く透き通った様々な色の輝き。そしてこの四方八方に突き出た突起は……。


「あ、そうだ! お星様だ!」


そう言えば『学芸会の夜に見上げた星が金平糖みたいだった』って、前にあたしが言ったんだった。


「ほら、両手を出して」


先輩はボンボニエールから金平糖を数粒つまんで、あたしの両手の上にポロポロと降らせた。
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