期間限定『ウソ恋ごっこ』
これから自分がやろうとしていることを考えると、現実逃避もしたくなるってもんだわ。
事情を知ってる真央ちゃんがそばにいてくれるのが、唯一の慰めだ。
あの後、しばらく生徒会室で泣いてたら、息を切らした真央ちゃんが『やっと見つけたー!』って叫びながらドアから飛び込んできて、ビックリした。
五時間目の授業に戻ってこないあたしを心配して、あちこち走り回って探してくれたらしい。
どうやって授業を抜け出したのかと思ったら、『お昼に食べた卵サンドに当たって下痢してるから、しばらくトイレにこもらせてくれ』って、先生に嘘ついたんだって。
しかも先生とクラスメイト全員から、『出しきってこい!』って激励されて送り出されたって聞いて、笑ってしまった。
ふたり一緒に笑った後で、また泣けた。
そして、授業をほっぽり出して駆けつけてくれた親友に抱きついて、なにがあったのかをぜんぶ話したんだ。
近藤先輩は誰にも言うなって言ったけど、あたし基準の『誰にも』の中には、真央ちゃんは含まれていないもん。
「もうさ、やめたら? 料理レッスン」
信号が変わって自転車のペダルを踏みこもうとした瞬間、真央ちゃんが話しかけてきた。
これから近藤先輩の自宅へ行って、レッスンを受けようとしているあたしを心配してくれている。
「お弁当係を辞退しなよ。こんなことになって、まだやる気なの?」
「やめるわけにいかないよ。伊勢谷先輩に理由を聞かれたらなんて言えばいいの?」
「三角関係がストレスなのでって正直に言う」
事情を知ってる真央ちゃんがそばにいてくれるのが、唯一の慰めだ。
あの後、しばらく生徒会室で泣いてたら、息を切らした真央ちゃんが『やっと見つけたー!』って叫びながらドアから飛び込んできて、ビックリした。
五時間目の授業に戻ってこないあたしを心配して、あちこち走り回って探してくれたらしい。
どうやって授業を抜け出したのかと思ったら、『お昼に食べた卵サンドに当たって下痢してるから、しばらくトイレにこもらせてくれ』って、先生に嘘ついたんだって。
しかも先生とクラスメイト全員から、『出しきってこい!』って激励されて送り出されたって聞いて、笑ってしまった。
ふたり一緒に笑った後で、また泣けた。
そして、授業をほっぽり出して駆けつけてくれた親友に抱きついて、なにがあったのかをぜんぶ話したんだ。
近藤先輩は誰にも言うなって言ったけど、あたし基準の『誰にも』の中には、真央ちゃんは含まれていないもん。
「もうさ、やめたら? 料理レッスン」
信号が変わって自転車のペダルを踏みこもうとした瞬間、真央ちゃんが話しかけてきた。
これから近藤先輩の自宅へ行って、レッスンを受けようとしているあたしを心配してくれている。
「お弁当係を辞退しなよ。こんなことになって、まだやる気なの?」
「やめるわけにいかないよ。伊勢谷先輩に理由を聞かれたらなんて言えばいいの?」
「三角関係がストレスなのでって正直に言う」