期間限定『ウソ恋ごっこ』
近藤先輩の気持ち。伊勢谷先輩の気持ち。あたしの気持ち。


あれからいろいろ考えて、あたしはひとつの結論を出してこれから実行しようとしている。


それを真央ちゃんは心配してくれているんだ。


「言っとくけど美空の考えにあたしは反対だよ。本当なら先輩たちとは、この機会に縁を切った方がいいと思ってる。でも、美空はそれができないんでしょ?」


「うん。できない」


はっきり答えたあたしの顔を見て、真央ちゃんは少し悲しそうな顔をした。


でもすぐに目元を優しく緩める。


「だったら美空の望むとおりにして。もし傷ついて泣くことになっても、あたしがドーンと胸を貸してあげるから安心しなさい」


「ありがとう。真央ちゃん」


心強い申し出に感謝しながら、あたしは「じゃあ、後で電話するね」と言って自転車をこぎ出した。


向かい側に渡って先輩の家の方へ向かうと、視界の端に真央ちゃんの姿が映る。


ずっと立ったまま見守ってくれている真央ちゃんに手を振って、あたしは道を急いだ。
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