期間限定『ウソ恋ごっこ』
あたしの洟をすする音に、真央ちゃんのしんみりした声が重なった。
『恋してたんだね。美空にとって初めての恋だったんだね』
「初めて? でもあたし、最初は伊勢谷先輩のことが……」
『それは恋じゃなくて憧れだよ。近藤先輩への気持ちと似ているけれど、はっきり違うものだよ』
憧れと、恋。
違いがよくわからなくて混乱しているあたしに、真央ちゃんが説明してくれた。
『美空はさ、いつも伊勢谷先輩のファンの子たちと一緒に楽しそうに騒いでいたじゃん?』
「うん」
『じゃあ、近藤先輩のことを好きな女の子とも一緒にキャーキャー騒げる?』
「それは、難しいかも」
というか、はっきり嫌かも。想像するだけで胸がヂリヂリ焼け焦げるような不快な痛みを感じる。
近藤先輩に好意を寄せる女の子と仲良くなれるとは思えない。先輩に近づかせたくないもん。
もっと黒い本音を言えば、学園からひとり残らず排除したいくらいだ。
現実問題としてそれは無理だとわかってるし、そんなサイコパスなことしないけど。折原先輩じゃあるまいし。
『恋してたんだね。美空にとって初めての恋だったんだね』
「初めて? でもあたし、最初は伊勢谷先輩のことが……」
『それは恋じゃなくて憧れだよ。近藤先輩への気持ちと似ているけれど、はっきり違うものだよ』
憧れと、恋。
違いがよくわからなくて混乱しているあたしに、真央ちゃんが説明してくれた。
『美空はさ、いつも伊勢谷先輩のファンの子たちと一緒に楽しそうに騒いでいたじゃん?』
「うん」
『じゃあ、近藤先輩のことを好きな女の子とも一緒にキャーキャー騒げる?』
「それは、難しいかも」
というか、はっきり嫌かも。想像するだけで胸がヂリヂリ焼け焦げるような不快な痛みを感じる。
近藤先輩に好意を寄せる女の子と仲良くなれるとは思えない。先輩に近づかせたくないもん。
もっと黒い本音を言えば、学園からひとり残らず排除したいくらいだ。
現実問題としてそれは無理だとわかってるし、そんなサイコパスなことしないけど。折原先輩じゃあるまいし。