期間限定『ウソ恋ごっこ』
諦めることはできない
次の日から、伊勢谷先輩と折原先輩は学校を休んでしまった。
ふたり揃って季節外れのインフルエンザってことになっているけれど、本当はそうじゃないことを、あたしは知っている。
あれからもう三日。毎晩よく眠れず、食欲もぜんぜんない。
とうぜん体力が落ちてしまって、日常生活を送るのが苦しかった。できれば学校を休みたかったけれど、そんな、まるで自分も被害者みたいなことは図々しくてできない。
それに毎日のお昼休み時間に、真央ちゃんがコッソリと近藤先輩の様子を覗きに行ってくれるんだ。
今も、先輩の教室から戻ってきたばかりの真央ちゃんが、今日の様子を教えてくれている。
「首の傷はよくなってきてるみたい。絆創膏が小さくなってるから。相変わらず席にひとりで座って、だれとも口を利いていないみたいだけど」
「そう……」
「美空、自分で見に行けば?」
「ううん」
せめて遠くからでも姿を見たいけれど、それは自分への罰として禁じていた。
それにもし近藤先輩に見つかったら……。いつも生徒玄関や、ホールや、廊下を移動するたびに、バッタリ先輩と行き会うんじゃないかとビクビクしている。
ふたり揃って季節外れのインフルエンザってことになっているけれど、本当はそうじゃないことを、あたしは知っている。
あれからもう三日。毎晩よく眠れず、食欲もぜんぜんない。
とうぜん体力が落ちてしまって、日常生活を送るのが苦しかった。できれば学校を休みたかったけれど、そんな、まるで自分も被害者みたいなことは図々しくてできない。
それに毎日のお昼休み時間に、真央ちゃんがコッソリと近藤先輩の様子を覗きに行ってくれるんだ。
今も、先輩の教室から戻ってきたばかりの真央ちゃんが、今日の様子を教えてくれている。
「首の傷はよくなってきてるみたい。絆創膏が小さくなってるから。相変わらず席にひとりで座って、だれとも口を利いていないみたいだけど」
「そう……」
「美空、自分で見に行けば?」
「ううん」
せめて遠くからでも姿を見たいけれど、それは自分への罰として禁じていた。
それにもし近藤先輩に見つかったら……。いつも生徒玄関や、ホールや、廊下を移動するたびに、バッタリ先輩と行き会うんじゃないかとビクビクしている。