期間限定『ウソ恋ごっこ』
そうやって内心ビクビクしているあたしの気も知らず、クラスの女子たちは、突然現れたアイドルに浮かれて大騒ぎ。
しかも悪いことに、そのうちのひとりが「佐伯さん! たしか近藤先輩のファンだったよね!?」とか大声で話しかけてきて、目眩がした。
違うってー! あたしが好きなのは黒い方じゃなくて、白い方!
いや、そんなことより、お願いだから今はあたしをそっとしておいて!
「おい」
頭上から低い声が聞こえてギクリとしたあたしの目に、三年生用の赤いラインが入った大きな内履きが見えた。
「なに隠れてんだよ。出てこい」
……心の底から出たくない。けどバレてしまったらしかたない。
あたしは机の下からモゾモゾと這い出て立ち上がり、その場で上目がちに先輩を見た。
しかも悪いことに、そのうちのひとりが「佐伯さん! たしか近藤先輩のファンだったよね!?」とか大声で話しかけてきて、目眩がした。
違うってー! あたしが好きなのは黒い方じゃなくて、白い方!
いや、そんなことより、お願いだから今はあたしをそっとしておいて!
「おい」
頭上から低い声が聞こえてギクリとしたあたしの目に、三年生用の赤いラインが入った大きな内履きが見えた。
「なに隠れてんだよ。出てこい」
……心の底から出たくない。けどバレてしまったらしかたない。
あたしは机の下からモゾモゾと這い出て立ち上がり、その場で上目がちに先輩を見た。