期間限定『ウソ恋ごっこ』
まさかの大ラッキー?
廊下を移動している生徒たち全員の視線が、近藤先輩に集中する。


ただでさえ先輩は有名人だし、一年生の階に三年生が来ることなんて滅多にないから、みんな驚いていた。


でも先輩は注目されるのには慣れっこなのか、平気な顔して背筋を伸ばして歩いている。


逆に、平気じゃないのはこっちの方。


先輩に集まる視線の余波を感じて、めっちゃくちゃ居心地悪い。まるで流れ弾に当たった気分。


出来るだけ被弾しないように体を小さくしながら、あたしは先輩から気持ち二歩分くらい後ろを歩いていた。
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