期間限定『ウソ恋ごっこ』
「彬がね、『俺のせいで機会を逃したけど、あいつは司のファンだからきっと立候補したはずだ。だからチャンスを与えてやってくれ』ってさ」
あたしは口をポカンと開けて、隣の近藤先輩を見上げた。
近藤先輩は、気難しい子どもみたいに唇を曲げてソッポを向いている。
……そっか。近藤先輩、あたしの胸を触ったお詫びのつもりであたしを推薦してくれたんだ。
きっとそんな風にあたしに気を遣ったことを、自分の口から言うのが気恥ずかしくて、なにも説明しなかったんだろう。
この表情を見ればわかる。真央ちゃんも誰かに親切にしたとき、よくこんな顔するもん。
なあんだ。けっこう、いい人じゃん?
そう思ったら、少し近藤先輩に親近感が湧いて胸の奥がホッコリした。
「ちょっと、早とちりしないでくれない? まだあなたに決まったわけじゃないんだから」
折原先輩が、人差し指で机をトントンしながらトゲトゲしい声を出した。
「候補者全員を呼び出して、司のお弁当を作るのに一番ふさわしい人物を決める審査会を開いているの。ちなみにあたしが審査員長よ」
あたしは口をポカンと開けて、隣の近藤先輩を見上げた。
近藤先輩は、気難しい子どもみたいに唇を曲げてソッポを向いている。
……そっか。近藤先輩、あたしの胸を触ったお詫びのつもりであたしを推薦してくれたんだ。
きっとそんな風にあたしに気を遣ったことを、自分の口から言うのが気恥ずかしくて、なにも説明しなかったんだろう。
この表情を見ればわかる。真央ちゃんも誰かに親切にしたとき、よくこんな顔するもん。
なあんだ。けっこう、いい人じゃん?
そう思ったら、少し近藤先輩に親近感が湧いて胸の奥がホッコリした。
「ちょっと、早とちりしないでくれない? まだあなたに決まったわけじゃないんだから」
折原先輩が、人差し指で机をトントンしながらトゲトゲしい声を出した。
「候補者全員を呼び出して、司のお弁当を作るのに一番ふさわしい人物を決める審査会を開いているの。ちなみにあたしが審査員長よ」