期間限定『ウソ恋ごっこ』
はい? お、お弁当を作るのにふさわしい人物? それってどんな人物?
そもそも『審査会』とか本気? ギャグじゃなくて?
しかもなぜ本人じゃなくて折原先輩が審査員長?
いろいろツッコミどころが満載な話に絶句しているあたしの隣で、近藤先輩が大きなため息をつく。
「なんで俺までその審査員とやらに任命されてんのか、まったくわかんねえんだけどな」
すると伊勢谷先輩が、近藤先輩に向って人差し指をビッと向けながら答えた。
「教えてあげよう! それはね、彬くんが俺の大親友だからです!」
「なにが大親友だ。知るか。ったく……」
「わー。彬くん、冷たーい。俺はこんなに彬くんを愛してるのにー」
両手で顔を覆って泣き真似する伊勢谷先輩を半目で見ながら、近藤先輩が折原先輩に話しかけた。
「それはともかく折原。お前、さっき飛び出していった子になにを言ったんだ? 泣いてたぞ?」
折原先輩はツーンと横を向き、あっけらかんと答える。
「べつになにもぉ。料理に関する基礎的な質問をしただけよ」
「基礎? どんな質問したんだよ?」
「現代のお刺身に通じる『打ち身』と呼ばれた料理の、室町末期における衰退の原因と、江戸地域において刺身文化が特に隆盛した理由を一分以内で述べよ、っていう簡単な質問よ」
どこが簡単⁉︎
もはや日本語だってことしか意味通じないんだけど!
「お前なあ、それのどこが基礎的な質問なんだよ」
ますます大きなため息をつく近藤先輩に、折原先輩はフンッと鼻から息を漏らした。
「あら、お刺身は日本人のソウルフードよ? こんなの知ってて当然でしょ」
そもそも『審査会』とか本気? ギャグじゃなくて?
しかもなぜ本人じゃなくて折原先輩が審査員長?
いろいろツッコミどころが満載な話に絶句しているあたしの隣で、近藤先輩が大きなため息をつく。
「なんで俺までその審査員とやらに任命されてんのか、まったくわかんねえんだけどな」
すると伊勢谷先輩が、近藤先輩に向って人差し指をビッと向けながら答えた。
「教えてあげよう! それはね、彬くんが俺の大親友だからです!」
「なにが大親友だ。知るか。ったく……」
「わー。彬くん、冷たーい。俺はこんなに彬くんを愛してるのにー」
両手で顔を覆って泣き真似する伊勢谷先輩を半目で見ながら、近藤先輩が折原先輩に話しかけた。
「それはともかく折原。お前、さっき飛び出していった子になにを言ったんだ? 泣いてたぞ?」
折原先輩はツーンと横を向き、あっけらかんと答える。
「べつになにもぉ。料理に関する基礎的な質問をしただけよ」
「基礎? どんな質問したんだよ?」
「現代のお刺身に通じる『打ち身』と呼ばれた料理の、室町末期における衰退の原因と、江戸地域において刺身文化が特に隆盛した理由を一分以内で述べよ、っていう簡単な質問よ」
どこが簡単⁉︎
もはや日本語だってことしか意味通じないんだけど!
「お前なあ、それのどこが基礎的な質問なんだよ」
ますます大きなため息をつく近藤先輩に、折原先輩はフンッと鼻から息を漏らした。
「あら、お刺身は日本人のソウルフードよ? こんなの知ってて当然でしょ」