期間限定『ウソ恋ごっこ』
焦りまくって両手でスカートの生地を握ったり放したりしているあたしの様子を、折原先輩が冷たく見ている。


「やっぱりこの子、グズね。こんな子が手際よく料理できるわけがないわよ。やっぱりあたしがお弁当を作るのがよさそうね」


痺れを切らした折原先輩が下した決断に、あたしは心の中で両手を挙げて大賛成した。


そうですね! あたしもそれが一番いいと思います!


そうすればもうこれ以上、誰も折原先輩にイビられなくて済むし。


「じゃ、じゃあ、そういうことで。あたしはこれで失礼しま……」


「待てよ。勝手に話を決めるな」
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