期間限定『ウソ恋ごっこ』
「ありがとうね」
熱く火照ったあたしの耳に伊勢谷先輩が小さくささやいて、混乱しまくっている頭がふと冷静になる。
『ありがとう?』
なんであたしが先輩から感謝され……
ーーカコーンッ!
「痛い!」
いきなり側頭部に強い痛みと衝撃を受けて、あたしは悲鳴を上げた。
こ、こめかみに、なんか激突した!
「司から離れなさいよ!」
涙目になってこめかみを手で押さえていると、折原先輩の怒鳴り声が聞こえた。
見れば、手にアルミの缶ケースを握りしめた折原先輩が、憤怒の形相で叫んでいる。
「今すぐ離れなさい! 離れろったら離れろ!」
ヒスッた先輩がテーブルの上の文房具を、手当たり次第に投げている。
駄々っ子みたいに両腕を振り回すたびに、こっちを目がけてぶっとい油性マジックペンとか、分厚いファイルとかが、ビュンビュン飛んできた。
ちょ、やめて! 先の尖った三角定規とかマジで手裏剣!
しかも完全に理性を失ってるっぽいのに、なんでこんなにコントロールが的確なの⁉︎
熱く火照ったあたしの耳に伊勢谷先輩が小さくささやいて、混乱しまくっている頭がふと冷静になる。
『ありがとう?』
なんであたしが先輩から感謝され……
ーーカコーンッ!
「痛い!」
いきなり側頭部に強い痛みと衝撃を受けて、あたしは悲鳴を上げた。
こ、こめかみに、なんか激突した!
「司から離れなさいよ!」
涙目になってこめかみを手で押さえていると、折原先輩の怒鳴り声が聞こえた。
見れば、手にアルミの缶ケースを握りしめた折原先輩が、憤怒の形相で叫んでいる。
「今すぐ離れなさい! 離れろったら離れろ!」
ヒスッた先輩がテーブルの上の文房具を、手当たり次第に投げている。
駄々っ子みたいに両腕を振り回すたびに、こっちを目がけてぶっとい油性マジックペンとか、分厚いファイルとかが、ビュンビュン飛んできた。
ちょ、やめて! 先の尖った三角定規とかマジで手裏剣!
しかも完全に理性を失ってるっぽいのに、なんでこんなにコントロールが的確なの⁉︎