期間限定『ウソ恋ごっこ』
「あのね、生徒玄関の近くで伊勢谷先輩とバッタリ会ってね、そしたら向こうから話しかけてくれたの! しかもしかも、肩まで抱かれちゃったのー!」
ウキウキで報告するあたしを、真央ちゃんは神妙な顔で見ている。そして手に持っていた本を閉じて、改まった声で言った。
「ねぇ、美空。昨日から何度も言ってるけど、お弁当係の件は辞退した方がいいと思うよ? 理由はわかってるよね?」
うっと言葉に詰まるあたしを、真央ちゃんは真面目な顔で見ている。
昨日の生徒会室での一件は、もちろんその日のうちに真央ちゃんにぜんぶ話した。
話し終えて速攻で『すぐに断れ』って反対されたよ。
真央ちゃんは、あたしが伊勢谷ファングループに恨まれることを心配しているんだ。
「この世で女の嫉妬ほど怖いものはないんだよ? 特に折原先輩はトリプルSクラスの最凶レベルじゃん」
「で、でも、お弁当係に任命されちゃったのは、あたしのせいじゃないよ! 近藤先輩が勝手に推薦したんだもん!」
「そんな理屈は、あのトリプルSには通用しないでしょうね」
返す言葉もない。
たしかにあの人に理屈なんて通用しないと思う。どう見ても己の本能と欲望のままに生きてる人種だ。
ウキウキで報告するあたしを、真央ちゃんは神妙な顔で見ている。そして手に持っていた本を閉じて、改まった声で言った。
「ねぇ、美空。昨日から何度も言ってるけど、お弁当係の件は辞退した方がいいと思うよ? 理由はわかってるよね?」
うっと言葉に詰まるあたしを、真央ちゃんは真面目な顔で見ている。
昨日の生徒会室での一件は、もちろんその日のうちに真央ちゃんにぜんぶ話した。
話し終えて速攻で『すぐに断れ』って反対されたよ。
真央ちゃんは、あたしが伊勢谷ファングループに恨まれることを心配しているんだ。
「この世で女の嫉妬ほど怖いものはないんだよ? 特に折原先輩はトリプルSクラスの最凶レベルじゃん」
「で、でも、お弁当係に任命されちゃったのは、あたしのせいじゃないよ! 近藤先輩が勝手に推薦したんだもん!」
「そんな理屈は、あのトリプルSには通用しないでしょうね」
返す言葉もない。
たしかにあの人に理屈なんて通用しないと思う。どう見ても己の本能と欲望のままに生きてる人種だ。