期間限定『ウソ恋ごっこ』
「そもそも引き受けたところで、どんなお弁当作るつもりなの? 美空でも作れる料理ってなに?」


「うーん。冷ややっこ」


「……すごく斬新なお弁当になりそうだけど、おススメはしない」


うん、わかる。やんないから安心して。


実を言うと先輩には内緒で、あたしのお母さんに作ってもらおうかな?って考えも、チラリと浮かんだんだけどさ。


そういうごまかしは、なんか嫌だよね。それにあたしは嘘をつくにしても要領がよくないから、うまくつける自信もないし。


「困ったなあ。手っ取り早く誰かに料理を教えてもらいたいんだけど。……ねぇ、真央ちゃん〜」


揉み手をしておねだりスマイルをしたけど、真央ちゃんの返事はつれなかった。


「パス。あたしが料理なんかするわけないじゃん。野菜切ってる時間があれば、近所のコンビニ行ってお弁当買ってこれるもん」


だよね。うん、真央ちゃんてそういうタイプよね。


念のため聞いてみただけ。


うーん、となるとやっぱりお母さんに教えてもらおうかな?


でもあたしが急にやる気を出したら、不審がっていろいろ勘ぐってきそうで面倒だな。
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