期間限定『ウソ恋ごっこ』
「俺は祖母に似て、髪も目もブラウン系で色白なんだ」


「はい。それってとっても素敵だし、先輩にすごく似合ってると思います!」


素直に賞賛したら、先輩はなぜかちょっと苦笑いした。


「ありがとう。でも俺が小さい頃に周りにいた子たちは、そういう反応じゃなかったんだよ」


「え? どういう反応だったんですか?」


「ほら、子どもってさ、目立つ存在をイジリたがるでしょ? 言葉だけじゃなくて時には腕力でも」


ちょっと辛そうに笑う先輩の眉間のあたりに浮かんだ陰を見て、理解した。


先輩は自分の体に流れる外国の血のせいで、精神的にも肉体的にもイジメられていたんだ。


でもそんなのおかしいよ!


だって髪や目や肌の色なんて生まれつきなんだから、そんなんで文句つけられても知らんわ!


黒かろうが白かろうが黄色だろうが、中身さえちゃんとしていればべつに問題ないじゃん!


逆に、暴力振るうとかそっちの方がよっぽど最低最悪で、問題ありな人間だわ!
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