期間限定『ウソ恋ごっこ』
「あの頃、いつもイジメられていた俺の味方になってくれたのは、幼なじみの愛美だけだった」


先輩は優しく目を細めて、ちょっと遠くを見るような目になった。


「愛美はね、相手がどんなに体格のいい年上の男の子でも、一歩も引かずに庇ってくれたんだ。俺、愛美には本当に感謝してる」


そっか。折原先輩がそうやって伊勢谷先輩をずっと守っていたのか。


そんな小さい頃から体を張っていたんなら、あれくらい気が強くなるのも無理ないや。


そのまんま迷惑な性格に成長しちゃったけど、過去の功績を考慮するなら、まあ許せるかも。


だからって積極的に友だちになりたいとは一切思わないけど。
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