高嶺の花沢さんは恋の仕方がわからない
なんてこったパンナコッタな週末を終えて、月曜日を迎えた。

バッチリメイクにカチッとスーツを着こなして、コンタクトレンズを身につけた完璧な自分を演じながら、いつものように会社へと足を向かわせた。

「おはようございます」

あいさつを済ませて自分のデスクに腰を下ろしたら、
「おはようございます、花沢さん」

西口くんに声をかけられた。

「修正ならこれから…」

私が返事をしたら、
「いえ、花沢さんに落とし物がありまして」

西口くんはそんなことを言った。

えっ、落とし物?

私、西口くんに何か落とし物をしたっけ?

「ここだと、あれなので…」

そう言った西口くんの後を追うように、私はオフィスを後にした。
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