高嶺の花沢さんは恋の仕方がわからない
「だけど…」

「何ですか?」

私を見つめてきた西口くんに、
「本当に、私でいいの?」
と、聞いた。

「私…本当はコミュ障だし、素顔だってひどいものなのに…」

そう呟くように言った私に、
「素顔は誰にも見せるつもりはないんで」

西口くんが言った。

「えっ、ええっ?」

それに対して思わず聞き返したら、
「蜜実さんの素顔は俺だけが知っていればいいと思ってますから。

と言うか、誰にも見せるつもりはないんで」

西口くんはニッと口角をあげて笑った。

あっ、かっこいい…。

それに見とれてしまっていたら、西口くんの端正な顔が近づいてきた。

頬に温かいものが触れた…えっ?

「な、何!?」

今のって、あきらかに唇だったよね!?
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