高嶺の花沢さんは恋の仕方がわからない
「いきなり会社での態度にならないでくださいよ。

と言うか、温度差とギャップが激しくないですか?」

西口くんはポイントカードから手を離そうとしなかった。

「いや、だって…」

離してください、ポイントカードを返してください、いつまで持っているんですか。

「俺、花沢さんがこんな人だったことを知って嬉しいんです」

西口くんが言った。

「…えっ?」

そこはガッカリしたとかじゃないんかい。

「だから…」

西口くんはそう言って私を見つめると、
「俺、花沢さんのことがもっと知りたいんです!」
と、宣言するように言った。

…私、何を言われたんだ?

その曇りなき眼の目を向けられて、私は何を言われたんだ?

嬉しいって、どうして?

幻滅したの間違いじゃない?

知りたいって、何が?

頭は悪くない方だと思うけど、よくわかんない…。
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