高嶺の花沢さんは恋の仕方がわからない
「花沢さん、大丈夫ですか?

気持ち的に顔色がよくないような気がするんですけど」

えっ、鋭い。

さすが、デキる男である。

と言うか、メイクで上手に隠すことができてると思ったのに…。

「き、き、気のせいじゃないんですか?」

とりあえず、早くどこかへ行ってくれ。

その意味も込めて言い返したのに、
「気のせいではないと思いますが…」

西口くんは顔を近づけてきた。

ギャーッ、こんな時に何をしてくれるのよー!

悲鳴が出てきそうになるこの気持ちをグッとこらえると、
「大丈夫ですから!」

西口くんから離れると、逃げるようにその場を後にしたのだった。

ああ、もう何なんだ!

心臓がドキドキしていて、とてもうるさい。

顔を見るだけなのに、あんなにも近づく必要性があるのだろうか?
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