高嶺の花沢さんは恋の仕方がわからない
最悪だ…。

仕事に集中できていなかった私も私で悪いけど、これは最悪過ぎる…。

と言うか、めちゃくちゃ気まずいんですけど…。

時計は8時を過ぎたところで、オフィスにいるのは私…と西口くんの2人だけだった。

何で2人きりなんだよ…。

しかも、よりにもよって西口くんである。

今日のところはこの辺で切りあげて、残りは明日の朝早くに出勤して片づけるとするか。

確かこれは急ぎじゃなかった、来週中に取引先に出せばいいから…よし、この辺にしよう。

そう思って保存をしてパソコンの電源を切った。

「お先に失礼します」

「――蜜実さん!」

西口くんが私の名前を呼んだ。

そちらの方に視線を向けると、西口くんは立って私の方を見ていた。
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