高嶺の花沢さんは恋の仕方がわからない
そんなある日のことだった。

「彼女が見つかったんだ!」

俺のいとこで、勤務先の会社の副社長である乙國周晴(オトクニシュウセイ)がそんなことを言った。

休みの日に突然家に押しかけてきて何を言っているんだろう?

「彼女って、誰?」

彼のためにコーヒーを淹れながら、俺は聞き返した。

「輝明も覚えてるだろ?

俺が結婚を考えるほど愛してた彼女を」

そう言った周晴に、俺は手を止めた。

「もしかして…?」

そう聞いた俺に、周晴は今にも泣き出しそうな、だけども嬉しそうな顔で首を縦に振ってうなずいた。

「彼女が…希里恵が…見つかったんだ…!」

震える声でそう言った周晴に、
「どこにいたの?」

俺は聞いた。
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