高嶺の花沢さんは恋の仕方がわからない
「『高崎エージェンシー』で働いてた」

そう答えた周晴に、
「そこって、取引先の…!?」

俺は驚いて聞き返した。

「正確には、契約社員としてだけどな」

まさか、取引先の会社で働いていたとは思いもしなかっただろう。

「5年前に、希里恵に何があったのかは俺もわからないけど…俺、希里恵が見つかって嬉しいんだ。

だから…だから、輝明」

周晴は俺の肩をつかむと、
「協力して欲しい」
と、言った。

「えっ、協力?」

俺は訳がわからなくて聞き返した。

協力って、何をすればいいんだ?

と言うか、
「周晴が田渕さんに話しかければいいじゃないか。

ずっと会いたかったとか何があったとか、いろいろと話しかければいいじゃないか」

俺は言った。
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