高嶺の花沢さんは恋の仕方がわからない
「花沢さん」

木佐さんは私を見つめると、
「好きと思ったら、言った方がいいですよ」
と、言った。

「えっ?」

訳がわからなくて聞き返したら、
「告白、してないんですよね?

だったら、した方がいいですよ」
と、言い返してきた。

「えっ、なっ…!?」

それに対してアワアワとしていたら、
「夫の時もそうでしたから。

好きと思ったら告白して、自分の気持ちをちゃんと伝えた方がいいですよ」

木佐さんはさらに言い返したのだった。

「それじゃ、バーイ」

木佐さんはパチリと私にウインクをすると、車に乗った。

ブロロロ…と、車はエンジン音を立てて私の前から立ち去ったのだった。

「好きと思ったら、か…」

木佐さんのその言葉は、不思議なくらいに私の胸の中に落ちたのだった。
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