高嶺の花沢さんは恋の仕方がわからない

９＊進め、たまに逃げても

――好きと思ったら、言った方がいいですよ

木佐さんのその言葉が頭の中を反芻している。

「さすが、帰国子女だ…」

彼女のストレートなその性格は、ぜひとも見習いたい…って、違う違う。

「好きと思ったら、か…」

また西口くんに関する噂が流れてしまったら、どうすればいいのだろう？

もし西口くんが本当に結婚するって言うことになってしまったら、今度こそ私は本当に立ち直れないかも知れない。

でも、
「西口くんは、私のことをどう思っているんだろう…？」

私は呟いた。

秘密を知られて、素顔を知られて、それからリハビリと言うことでつきあってもらって…西口くんは、私のことをどう思っているのだろうか？

そう考えたら、不安になっている自分がいた。