高嶺の花沢さんは恋の仕方がわからない
旦那さんも忙しかったかも知れないし、彼女自身のこともあったから、結婚式は挙げていなかったのかも知れない。

そんなことを思っていたら、木佐さんと目があった。

私と目があった彼女はニコリと、口角をあげた。

…えーっと、これはどう言う意味なんだ?

私、発破をかけられた?

パチパチと周りが木佐さんを祝って拍手をする中で、私は何とも言えない複雑な気持ちを抱えるのだった。

朝礼が終わると、いつものように仕事に取りかかった。

「さて、と…」

パソコンを立ちあげようとした時、
「花沢さん、この書類の確認をお願いしたいんですが」

西口くんが私のデスクに現れた。

「急ぎですか?」

私が声をかけたら、
「ええ、できれば」

西口くんは答えた。
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