あなどれないね、世唯くん。



「……わかりました。運んでおきます」

「おぉ、助かるよ!」


仕方ない……。
寿々にでも頼んで半分持ってもら……って、あれ?

さっきまでわたしの席の付近にいたはずの寿々の姿がなくなっていた。


うそぉ……。
頼りにしていた寿々がいないということは…1人で運ぶしかないってこと?


残念ながら、クラスではそんなに友達が多くないし、ましてや男子に話しかけて頼むなんてできっこない。


諦めて重たいノートをまとめて手に乗せた。

うっ……想像してたより5倍くらい重い。

けど、ここで手を離してしまえば、ノートたちが真っ逆さまに落ちて散らばってしまう。


手にグッと力を入れて、教室から出たとき。


「あれ、花町?何してんの?」

「うぇ…っ?あ、藍野……くん」


たまたま男子たちと廊下で喋っていた藍野くんに声をかけられた。

すると、男子たちの輪を抜けてわたしのほうに駆け寄ってきた。

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