あなどれないね、世唯くん。
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「う、うそだ……、ほぼ赤点」
夏休み前にあった期末テストが見事惨敗に終わって、全ての教科の点数が書かれた一覧の紙を見て絶望した。
「あちゃー、これは夏休み間違いなく補習だね」
自分の席で落ち込んでペシャンと顔を伏せていると、わたしの手元からするりと紙が取られて、友達の青山寿々(あおやま すず)が、やれやれという口調で話す。
「すずぅ……わたしを補習のピンチから救って…!」
「むりむり〜。もう結果として出てるんだから。勉強しなかった糸羽が悪いんでしょ?」
「うぅ…そりゃそうだけど」
寿々は呆れながら、わたしの前の席に足を組んで座った。
はぁ、相変わらずスタイルがいいことで。
寿々は顔は可愛い系なのに、小柄ってわけじゃなくて、モデル並みのスタイルの持ち主。
「まあ、地獄の補習頑張って〜。わたしは有意義な夏休みを過ごさせてもらうから〜」
「ぬぅ……」