あなどれないね、世唯くん。
「もし付き合ってって言われたら付き合うの?」
「なんで……そんなこと聞くの……?」
ここで、わたしが求めていることを言ってくれたらいいのに。
わたしが世唯くんを想う気持ちと、同じものを返してくれたらいいのに。
「……気になるから聞いてんの。答えて」
なかなか答えを出さないわたしに不満があるのか、ムッとした顔のままこちらを見てくる。
「付き合う……って、言ったらどうする……?」
試したくなった。
世唯くんの気持ちが今、どれくらいわたしに向いているのか。
だけど、これは間違い。
「……そんなこと俺は求めてないってわかってるでしょ?」
肩を軽くトンッと押され、そのまま身体がベッドに沈んだ。
さっきと同じようにギシッと大きくベッドが軋む音が耳に聞こえたときには、もう世唯くんがわたしの上に覆いかぶさっていた。
「……もし付き合うなんて言ったら」
わたしの制服のリボンを慣れた手つきで、シュルッとほどきながら━━━。
「……糸羽が俺のことしか考えられなくなるまで、抱く…かもね」