あなどれないね、世唯くん。
瞳が本気……。
身体に触れる手を止めようとしない。
「……抵抗しないなら俺の好きなようにするけど」
ブラウスの中にするりと世唯くんの手が滑り込んできたので、とっさに止めた。
「ま、待って……っ。
こんなのおかしい……よ」
さすがにこれ以上を許すことはできない。
流れに任せてもいいことない。
「何がおかしいの?
いとの身体すごく反応してるのに」
「……手、抜いて…っ」
甘い毒に侵されているみたいに、誘惑から逃れられそうにない自分がすごく怖い。
こんなの……普通じゃない。
もともとわたしたちの関係は普通とはいえないものだけれど、これ以上はダメだって。
頭のなかでそう思うのに、
そんなことをぜんぶ跳ね除けてしまうくらい
触れてくる手が、
落ちてくるキスが、
感覚をすべて麻痺させてくる。