あなどれないね、世唯くん。
わたしは午前中のみシフトが入っていて午後からは自由なので、その時間に合わせて加奈ちゃんが来る予定。
文化祭が始まってから、午前中はすごく忙しくて思ったよりクラスが繁盛してるというか。
だから裏方もその分めちゃくちゃ忙しくて時計を気にする時間もなく午前は過ぎた。
「はぁ……やっと終わった」
ようやく忙しさから抜け出し、もうすぐ学校に到着するであろう加奈ちゃんを門まで迎えにいかなくてはいけない。
「あれ、花町いま終わった?」
ちょうど教室から出ると、廊下に真尋くんがいた。
「あ、うん。
真尋くんも午前で終わりだよね?」
「そーそう。今から自由の身ってわけ。お前は今からどっかいくの?」
「……うん。ちょっと友達が来るから案内しないといけなくて」
「なんか顔色悪くね?
せっかく友達来てくれんのに」
いや……そりゃ、あんまり歓迎する相手じゃないから。