あなどれないね、世唯くん。



***


あれから、わたしのクラスをあとにして他のクラスを回ろうとしたとき。

ボーッとしていたのがいけなかった。


いきなり後ろから子どもが数人走ってきて、そのままわたしにぶつかってきた。

本来ならふらつくはずのない足元は、簡単にグラッとふらつきそのまま転んでしまった。


「糸羽ちゃん!大丈夫……!?」

すぐに、そばにいた加奈ちゃんが心配そうな声を上げて、かがみこんだ。


「だ、大丈夫……。
ちょっとボーッとしてバランス崩しちゃって」


ほんとついてない。
ついてないことって一度起こると、また起こりそうだから怖い。


「立てそう?歩けそう?」

加奈ちゃんが手を貸してくれて、その場から立ち上がる。

しかも最悪なことに、膝を擦りむいていた。


「ケガしちゃってる。
保健室とかで処置してもらったほうがよさそうだよね?」

こうして、人混みからはけて

人通りがほとんどない、保健室がある廊下を歩く。

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