あなどれないね、世唯くん。



打ち上げ……か。

正直そんな盛り上がれる気分じゃないから行きたくない。


『いまたぶん3階のどっかの空き教室にいる。打ち上げは不参加にしておいて』


送信のボタンを親指で押すと、画面にすぐ既読の文字がついた。

『3階のどっかね、りょーかい。伝えとくわ。
んじゃ、そこでしばらく待機ね』


ん?んんん?
なんかこの文面だと寿々がわたしを迎えにくるみたいじゃない?

もしかしたら、強制的に打ち上げに連れて行くって魂胆なのかもしれない。


けど、寿々の性格上そんな面倒なことするとは思えないしなぁ。


とりあえず待機って言われたけど、まずここから出ないと下手したら学校閉まっちゃっても困るし。


そう思って、立ち上がろうとしたとき。

前の扉が大きな音を立ててスライドした。


寿々が来たのかと思った。
ただ、部屋が薄暗いせいで入り口に立っている人の顔が見えない。

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