あなどれないね、世唯くん。
だけど……。
「こんなとこで何してんだよ」
声を聞いたら誰かわかってしまった。
それと同時に驚いた。
だって、まさかの人物がわたしを探して入り口に立っているのだから。
「ま、真尋……くん?」
まさかこのタイミングで現れるとは予想もしてなかった真尋くんがいた。
そして、真尋くんの手によって入り口付近にある部屋の明かりのスイッチが押され、全体が明るくなった。
「よく声だけで俺だってわかったな」
なんて言いながら、わたしが座っているほうへと近づいてきた。
「な、なんでここに……?」
「青山から連絡来ただろ?」
「き、来たけど……」
「返信でお前が3階のどっかの空き教室にいるって聞いたから、俺が来たわけ」
最初はもしかしたら寿々がここに来るのかと思ったけれど、まさか真尋くんが来るなんて。