あなどれないね、世唯くん。
「じゃあ、補習始めていくわね?はい、これが今日の課題ね。これをこなさないと帰っちゃダメだからね」
そう言って渡されたプリントは、英語と数学。
初日からいきなり苦手な科目に撃沈して、千景くんに迷惑をかける予感しかしない。
……というか、わたしみたいな関わりのないただのクラスメイトに勉強を教えてくれるのか不安しかない。
教えてもらわないと困るのはわたしだけで、千景くんからしてみれば別に教えなくて困るわけじゃないから。
「花町さんはわからないことがあったら千景くんに聞きながらやってね?先生はしばらく職員室にいるから。何かあったら呼んでね。たまに教室に顔出すようにするから」
そう言うと、篠原先生はササッと教室を出て行ってしまった。
えっ、うそ。
なんかすごいあっさりした説明で終わられたし、しかもほぼ初めて話す相手と2人っきりで取り残されるってなんなのこれ。