あなどれないね、世唯くん。
そう言われても……。
真尋くんとは文化祭以来、まともに会話してないし。
なんとなく、わたしが気まずさを感じてしまって、それが向こうに伝わってるような……。
だから隣の席だけど、前みたいにそんな話すことはなくなってるのが現状。
なんか今のわたし、何もかもうまくいってないような気がする。
もうすぐ期末テストがあるっていうのに、なかなか手をつけられてないし……。
赤点コースまっしぐらなような気しかしない。
***
授業がすべて終わり、迎えた放課後。
期末テストに向けて、カフェで勉強しないかと寿々を誘ってみたんだけど、あっさり断られてしまったので1人でカフェに行くことにした。
家だとダラダラして、手につかなさそうだから。
駅のカフェは、この時間帯だと空いているので、飲み物を頼んで窓側の1人がけのカウンター席に座ろうとしたときだった。
「あれ……糸羽ちゃん?」