あなどれないね、世唯くん。
ほら、やっぱり。
2人の関係はわたしが予想していた通り、ただの仲がいいだけの関係じゃない。
「わたしと千景くんね、中学が同じだったの」
ここからは、わたしが知らない
過去の世唯くんの話……。
「千景くんって今もそうだと思うけど、すごく謎な雰囲気じゃない?
いつも1人でいるし、何考えてるかわかんなくてすごくミステリアスで」
相づちを打とうとしたけど、それより先に加奈ちゃんが口を動かす。
「最初は話しかけにくいなぁって思ってたんだけどね……」
すると、ここでピタッと話すのをやめた。
何か言いにくそうなことなのか、加奈ちゃんが少し目線を下に落とした。
「……優しかったんだ、千景くん」
まるで昔を思い出すように、
懐かしそうに目を細めていた。
そして、驚くことを告げられる。
「わたしね、昔……
学校の先生が好きで、付き合ってたの━━━━」