あなどれないね、世唯くん。
妙に鮮明に聞こえた。
一瞬、頭が真っ白になりかけて、
息をするのも忘れて、苦しくなってハッとして息をする。
いま……聞き間違いじゃなければ
たしかに……。
「……すげーわかりやすくストレートに言ったんだけど。伝わってる?」
「い……ま、なんて……」
「俺は花町のことが好き。
誰よりも好きだって言える自信ある」
聞き間違いじゃなかった……。
ストレートに胸にグッときた、"好き"の2文字。
「いつもは遠回しなことしか言えなくて、はっきり伝えられなかったけど。
そんなことやっても、花町の気持ちはいつまでも俺のほうに向かないから」
突然の告白に驚いた。
寿々からなんだかんだ、真尋くんはわたしに気があるとずっと口が酸っぱくなるほど言われていた。
だけど、そんな自惚れることもできないし信じていなかった。