あなどれないね、世唯くん。



想われても、想い返すことができなければ交わることはない。


「今まで通り……クラスメイトとして、接していけるように頑張るからさ。

花町も、自分の気持ちをちゃんと千景に伝えてみろよ」


「まひろ……くん、
優しすぎる……よ……っ」


こんなわたしを好きになってくれて、想いに応えられなかったのに、わたしの背中を押してくれるなんて。


「俺が優しくすんのは好きな子限定だから」

「っ、」


「もっと自信持てよ。
お前はすげー可愛いから」

「そ、そんなこと……っ」


「そうやってすぐ自分を否定すんな。
俺が可愛いって言ってんだから可愛いんだよ」

「えぇ……っ」


もうどんな反応したらいいのかわからなくなる。



「俺は、お前のこと好きだから。
可能性ないのわかってるし、諦めるつもりでいるから。その代わり、お前は自分の想いをちゃんと貫け。

んで、また俺に笑ってくれれば、それでいいから」


真尋くんの優しさは、きっとこれからもずっと、わたしの胸の中に残り続ける。

< 219 / 339 >

この作品をシェア

pagetop