あなどれないね、世唯くん。
想われても、想い返すことができなければ交わることはない。
「今まで通り……クラスメイトとして、接していけるように頑張るからさ。
花町も、自分の気持ちをちゃんと千景に伝えてみろよ」
「まひろ……くん、
優しすぎる……よ……っ」
こんなわたしを好きになってくれて、想いに応えられなかったのに、わたしの背中を押してくれるなんて。
「俺が優しくすんのは好きな子限定だから」
「っ、」
「もっと自信持てよ。
お前はすげー可愛いから」
「そ、そんなこと……っ」
「そうやってすぐ自分を否定すんな。
俺が可愛いって言ってんだから可愛いんだよ」
「えぇ……っ」
もうどんな反応したらいいのかわからなくなる。
「俺は、お前のこと好きだから。
可能性ないのわかってるし、諦めるつもりでいるから。その代わり、お前は自分の想いをちゃんと貫け。
んで、また俺に笑ってくれれば、それでいいから」
真尋くんの優しさは、きっとこれからもずっと、わたしの胸の中に残り続ける。