あなどれないね、世唯くん。



補習はたぶんわたし1人なので、自分が座りその隣の椅子に荷物を置かせてもらうと。


「あっ、荷物はこっちに置いてね。
あと1人そこに座る予定だから空けといて」


「え、わたしだけじゃないんですか?」


「えぇ、千景くんも補習の対象だから」


っ……、嘘……。
まさかの名前が口にされて、一瞬顔が引きつる。


「彼ね、英語のテストだけ受けてないのよ。それで今回補習に引っかかったわけ」

最悪……なんでよりにもよって英語だけ受けてないの……。

今すぐここから逃げ出したと思ってしまう。


「あっ、それとそうそう。今日だけなんだけど、わたし今からちょっと別件で用事があってね。

もう今から行かなきゃいけないから、今日だけ2人で課題のプリントやっててくれるかしら。

途中で向井先生が様子見に来てくれるから」


まさかの展開に頭がついていかない。

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